不動産の売却を考えたら準備することについて詳しく解説します。
こんにちは。
株式会社ホームリンク代表の吉田です。
今回は、不動産の売却を考え始めた方向けに、事前準備として何をすればよいか、どんな心がけで臨めばよいかについて詳しく解説していきたいと思います。
1. 売却理由・希望条件の整理
まずはじめに、不動産を売却しようと考えた理由、動機(きっかけ)、目的を再確認しましょう。その上で、売却金額、時期、方法について、お客様のご希望条件をきちんと整理します。
お客様に最適な売却プランは、売却理由やご希望条件によって変わってきます。お客様の理想に近い形で売却できるよう、改めて確認・整理しましょう。
(1) 売却理由
- 住み替え(買い替え)
- 資産整理(不要資産の処分)
- 相続による売却
- その他(転勤・離婚・ローン滞納等)
(2) 売却時期
- 可能な限り早く売却したい
- 期限が決まっている(○年○月頃までに)
- 特に決まっていない
(3) 売却金額
- ○○万円で売りたい
- できれば○○万円は手元に欲しい
- 最低でも○○万円は手元に必要
- 具体的な金額は決めていない
(4) 売却方法
- 時間がかかってもいいので高く売りたい
- 安くてもいいので早く売りたい
- 近隣の方に知られずに売却したい
- インターネットには掲載してほしくない
- 看板は設置したくない
2. 売却に必要な書類
次に、不動産売却に必要な書類について知っておきましょう。
不動産の売却では、登記識別情報(登記済証、従前の権利証のこと)や身分証明書などご準備いただく書類が多岐に渡ります。
どのタイミングでどのような書類が必要かを事前に把握し、足りないものがあればご自宅で探す、新規に発行する、申請して取り寄せるなどの準備が必要となります。思った以上に時間や手間がかかることがありますので、いざという時に慌てないで済むように事前に準備しておきましょう。
ここでは特に、以下の3つの場面においてそれぞれ必要となる書類をまとめました。
(1) 価格査定を依頼する時
- 登記事項証明書
- 公図(字図)
- 地積測量図
- 固定資産税納税通知書
- 間取り図
- 建築確認済証、検査済証
- 返済予定表
(2) 媒介契約を締結する時
- 登記識別情報(登記済証)
- 本人確認書類
- 印鑑(認め印可)
- 物件状況確認書(告知書)
- 付帯設備表
(3) 決済・引渡しの時
- 登記識別情報(登記済証)
- 実印
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
- 銀行口座確認書類
- 住民票
- 戸籍の附票
それでは、それぞれを詳しく解説していきます。
(1) 価格査定を依頼する時
意外かもしれませんが、価格査定を依頼する時に必要な書類は特にありません。極端に言うと、不動産の所在地が特定できれば査定はある程度可能です。ただし、以下のような書類があればより詳細で精度の高い査定を行うことができますので、可能な限りご準備ください。
① 登記事項証明書
登記事項証明書とは、以前は登記簿謄本と呼ばれていた書類で、不動産の所在地、地番、地目、地積、床面積、構造、新築年月日、登記名義人、抵当権の有無などが記載された書面です。最寄りの法務局に行けばどなたでも取得が可能です(有料)。ただし、地番が判明していないと取得できませんので、登記識別情報(または登記済証)や固定資産税の納税通知書等で事前に確認しておいてください。
② 公図(字図)
公図も登記簿謄本と同様に、法務局で有料にて取得できます。土地の地番や土地の形状などが記載された図面です。不動産の査定では、土地の形状、隣接地や道路との関係、道路状況などが大きく関わってきますので、公図や次に出てくる地積測量図でしっかり確認することが重要です。
③ 地積測量図
地積測量図は、土地の間口や奥行きなどの寸法、面積が記載された図面です。こちらも法務局にて取得できますが、全ての土地に必ず備え付けられている図面ではないので、もし取得できればご準備ください。
④ 固定資産税納税通知書
不動産を所有している方に毎年4月頃に市区町村から送付されるのが、固定資産税納税通知書です。土地や建物の固定資産評価額が記載されていますので、査定価格を算出する際に参考にする場合があります。
⑤ 間取り図
一戸建ての場合、間取り図も参考にします。一般的なタイプの間取りではない場合、査定価格に影響が及ぶ可能性があります。建築当時の流行が、現在ではセールスポイントにならないどころかマイナスポイントになることもあります。
⑥ 建築確認済証、検査済証
建築基準法の規定により、新しく建物を建築する際には建築前に建築確認申請が必要です。これは、建築基準法の規定に従って建築する予定なのかどうかを確認することです。その結果、建築基準法を遵守していることが確認できた場合、建築確認済証が発行されます。その後、実際に建築が始まり、建物完成後に今度は建物完了検査があり、確認申請の通りに建築されているかを検査します。その結果、問題なければ検査済証が発行されます。つまり、この建物は建築基準法に則って建築されたものですよ、という証明書が確認済証と検査済証です。売却する建物が違法建築物ではないという証拠になります。
⑦ 返済予定表
住宅ローンを利用している場合、売却時の住宅ローン残債がどのくらいあるかを確認するために必要なのが返済予定表です。住宅ローンを利用すると土地や建物に抵当権が設定されていますが、売却する時には抵当権を抹消する、つまり住宅ローンの残債を一括返済する必要があります。そのため、売却価格が住宅ローンの残債額を上回らないと売却ができませんので、売出価格を決める際に参考にします。
(2) 媒介契約を締結する時
媒介契約は、原則登記名義人の方に内容をご説明させていただき、ご署名・押印いただきます。ご本人様確認をしっかりと行うため、登記識別情報通知(権利書)及び本人確認書類は必ずご準備ください。また、物件状況確認書(告知書)の他、一戸建てやマンション等の建物の場合には付帯設備表も作成していただきます。
① 登記識別情報(登記済証)
登記識別情報とは、平成17年の不動産登記法の改正により登記済証(権利書)の代わりに新たに発行されるようになった書面で、登記済証と同様の効力を持っています。基本的には不動産の所有者(登記名義人)本人しか持っていない書類のため、とても重要なものとなります。
② 本人確認書類
運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど顔写真付きのものが必要です。登記識別情報に記載された登記名義人とご本人様が一致しているかを確認する重要な書類です。不動産を売却する際には必須となりますので、お持ちでない方は早めにご準備ください。
③ 印鑑(認め印可)
媒介契約書に押印いただく際には、認め印にて押印いただきます。
④ 物件状況確認書(告知書)
物件状況確認書(告知書)とは、不動産売却の際に売主が買主に対して対象不動産の状況を説明する書面です。いくつか項目がありますが、例えば過去でも現在でも、雨漏りや給排水管の故障、シロアリの被害などがあったか、またはあるかどうかを記載していただきます。不動産取引において、こういった物件の不具合や欠陥については買主様とトラブルになることが多くあります。トラブルの多くは、過去に不具合があった、もしくは現在不具合があるということによって生じた予想外の補修・修繕費用の問題です。売主様は知っていたけど買主様に伝えていなかったということになればトラブルは避けられません。売却についてマイナスになるようなことは黙っておきたいと思われる気持ちは理解できますが、取引をスムーズに進めるためには包み隠さずお知らせください。
⑤ 付帯設備表
付帯設備表とは、売却する建物の設備の有無に関する書類です。引き渡す物件にどのような設備が備え付けられているか、またはどの程度残存するかを記載する書面です。合わせて、これらの設備に不具合があるかどうかも記載します。物件状況確認書と同じように、取引後にトラブルにならないように正確に記載することを心がけてください。
補足
物件状況確認書(告知書)及び付帯設備表は当社が準備しますので、お客様にあらかじめ準備していただく必要はありません。
(3) 決済・引渡しの時
引渡し手続きでは、所有権移転登記(不動産の名義変更)に必要な書類が最も重要です。所有権移転登記は、司法書士が売主様及び買主様より委任を受けて手続きをするケースが一般的です。ご自身で行うことも可能ですが、準備する書類が煩雑で難解なことが多いため、司法書士に任せる方が確実に登記が実行できるというメリットがあります。なお、所有権移転登記かかる費用は買主負担となることが一般的です。
① 登記識別情報(登記済証)
登記識別情報は、不動産の所有者に対して発行される書類で、本人確認手段のひとつとして扱われます。そのため、万が一登記識別情報を紛失していても、司法書士が本人確認情報という書面を別途作成することによって登記は可能となりますが、書類作成費用がかかるため、お引き渡し手続き前までに再度よく探してみましょう。どうしても見つからない場合は、早めにお知らせください。
② 実印
実印とは、市区町村役場で印鑑登録をした印鑑のことです。印鑑登録がお済みでない方は、早めにご登録をお願いします。なお、これが実印だと勘違いしていて印鑑証明書の印影と合わないというケースがごく稀にあります。実印の有無の確認と印鑑証明書の印影との照合も事前に済ませておいてください。
③ 印鑑証明書
印鑑証明書とは、住民登録をしている市区町村役場で登録した印鑑が本人のものであることを証明する書類です。前述の通り、念のため印鑑証明書の印影と実印を照合しておいてください。なお、印鑑証明書の有効期限は発行から3ヶ月以内なので、取得のタイミングにはご注意ください。
④ 本人確認書類
顔写真付きのものをお持ちの場合は特に問題ありませんが、もしお持ちではない場合、司法書士の先生に確認する必要がありますので早めにご相談ください。
⑤ 銀行口座確認書類
買主様より売買代金の残金を受領する場合、売主様の銀行口座に振り込みを行うことが一般的です。万が一間違いがあるとお引き渡しが実行できませんので、ご通帳やキャッシュカード等で口座の詳細に相違がないか確認します。
⑥ 住民票
登記事項証明書に記載された登記名義人の住所と、現在の住民票に記載された住所が異なる場合、所有権移転登記の前に住所変更登記を行う必要があります。その際に必要な書類が住民票です。登記は司法書士が行いますが、登記費用がかかります。ただし、住所変更登記は一般の方でも比較的簡単に行うことができますので、時間的に余裕がある方は法務局に問い合わせてみてもいいかもしれません。
⑦ 戸籍の附票
登記事項証明書に記載された住所から現在の住所に至るまでに、複数回の引っ越し(住民票の移動)を行っている場合、住民票に加えて戸籍の附票が必要です。住所変更登記は、登記事項証明書に記載された住所から現在の住所までの住所移転の経緯が証明できないと登記できません。住民票には現在の住所とそのひとつ前の住所しか記載されていませんので、その他の住所移転の経緯を証明するために戸籍の附票を取得していただきます。戸籍の附票は本籍地のある市区町村役場で取得することになりますので、遠方で役場に行けない場合などは郵送にて発行申請と取得をすることになり、予想外に時間がかかる場合があります。
その他にも、土地の場合には境界確認書や確定測量図、一戸建ての場合には建築確認済証・検査済証、建築図面、マンションの場合には管理規約の写し、議事録、長期修繕計画書など、必要に応じて買主様にお渡しすべき書類があります。不動産に関連する書類は数多くありますので、ご不明な点は何でもご相談ください。
3. 諸費用・税金の把握
不動産を売却する時には、様々な費用や税金がかかります。売却後にお手元に残るお金は、売買価格から諸費用・税金を差し引いた金額となります。まずはどのような費用や税金がかかるか把握しておきましょう。
(1) 仲介手数料
不動産売買を成立させた不動産会社に支払う報酬が仲介手数料です。
売買価格によって変わりますが、売買価格×3%+60,000円(税抜)となります。
(2) 登記費用
登記費用には司法書士報酬の他、登録免許税が含まれます。どの登記が必要になるかは売主様によって変わってきます。
- 登記名義人表示変更登記(住所・氏名)
- 建物表題部表示変更登記
- 地目変更登記
- 相続登記
(3) その他の費用
その他にかかる費用についても、売主様によって変わります。
- 境界確定測量費用
- 家財撤去・処分費用
- 建物解体費用
- 修繕・リフォーム費用
- ハウスクリーニング費用
- 建物状況調査費用
- 住宅ローンの一括返済手数料
- 引っ越し費用
(4) 税金
収入印紙は売買契約書に貼付しますが、売買価格によって金額が変わります。
- 印紙税(収入印紙代)
- 登録免許税
- 譲渡所得にかかる税金
譲渡所得にかかる税金は、売却時に利益が出た場合にかかる税金です。詳細はこちら。
4. 売却の種類
不動産を売却する場合、売却方法は大きく分けて3つあります。
- 仲介
- 買取
- 個人間売買
それぞれの方法について理解し、ご自身に合った売却方法を選択することが重要です。
(1) 仲介
最も一般的な売却方法が「仲介」です。
仲介とは、売主様と買主様が売買契約を締結するに際して不動産会社に間に入ってもらい、契約からお引渡しまでのサポートを受けることです。
メリットとしては、高額な不動産を扱う取引において、売主様と買主様との間でトラブルが生じることを極力減らすことができ、安心して進めることができるという点です。
不動産に関する事項は一般の方には難解で分かりづらい面が多々ありますが、宅地建物取引士という専門資格を持った不動産会社に対応してもらえれば、よく分からずに売ってしまったとか買ってしまったとかいうようなことが起こり得ません。
また、お客様同士でトラブルになったとしても不動産会社が間に入って調整してくれますので、そういった意味合いから仲介を選択するのが一般的かと思います。
(2) 買取
次に、不動産会社等の業者が買主となり、直接売主様と売買契約を行う方法が「買取」です。
買取のメリットは、
- 即現金化できる(早く売却できる)
- 近所に知られずに売却できる
- 費用がほとんどかからない
- 売却後の責任が一切ない
などが挙げられます。
一般の方が購入する場合、不動産物件は高額なため住宅ローンを利用するお客様がほとんどです。そのため、融資の審査・手続き等でお金が入るまで時間がかかるのが一般的です。
買取の場合には、基本的に業者が現金で購入しますので、お金が入るまでが早いというメリットがあります。
また、一般の方に向けて売り出すことなく売却できますので、近所の方に知られることもありません。
さらに、買取の場合には業者が現況のまま購入するのが一般的なので、通常売主様に必要な境界確定測量費用や家財撤去・処分費用等の諸費用が一切かかりません。ただし、住所変更登記等必要に応じて費用がかかる場合がありますのでご注意ください。
最後に、仲介の場合には契約不適合責任等、売却後の売主様が負うべき責任がありますが、買取の場合にはこれらも一切必要ありません。
このようにメリットだらけの買取ですが、売却金額がかなり低くなるということが最大のデメリットです。
相場としては、市場価格の6~7割程度になります。例えば、市場価格が1,000万円の場合、買取金額は600~700万円です。単純計算で約300~400万円違ってきますのでこの差は大きいと思います。
お客様のご事情やお気持ち次第ではありますが、買取という方法もあるということを知っておいて損はないと思います。
(3) 個人間売買
「仲介」を選択して不動産会社に仲介してもらうと、不動産会社に対して仲介手数料がかかります。
前述のとおり、トラブル防止のために仲介会社を入れることは大切なことですが、例えば親族間での売買でトラブルになる可能性が極めて低いような場合には個人同士で直接売買契約を行うことも可能です。
この場合、仲介会社を入れませんので仲介手数料がかからないのが大きなメリットです。
ただし、親族間とはいえ、後に揉めるようなことがあってもご自身で解決していただくしかありませんので、これが大きなデメリットと言えます。
5. 建物について
さて、ここからは特に中古戸建てや分譲マンションを売却する際に事前に把握・確認しておくべきことについて解説していきます。
(1) 不具合箇所を把握する
まずは、建物の内部や外部について、現在の不具合状況について把握しておきましょう。
一戸建ての場合、例えば給水・排水管の故障(水漏れ)、雨漏り、壁紙の劣化・破損、建具の破損(ドアや壁に穴が空いているなど)、床の状態(傷などの劣化状況)、シロアリの被害など、売却する上で買主様にとって補修費用がかかるような不具合箇所があればきちんとお伝えする必要がありますので、これらを売却前にしっかりと把握しておいてください。
また、可能であれば、修理や補修を行っておくのも良いかと思います。
(2) リフォーム・修繕履歴を整理する
過去にリフォームした箇所や、どこかしら修理・修繕した(簡易なものから大きなものまで)という記録があれば、こちらも買主様にお伝えできますのできちんと整理しておいてください。
お見積書や領収証が残っていれば、時系列を整理してファイリングをお願いします。
また、どうしても詳細な時期が分からなければ、大まかにでも構いませんので(ざっくり10年くらい前の夏とかでも大丈夫です)できるだけ近しい時期を思い出すようにしましょう。
(3) 物件の長所と短所を把握する
物件の長所と短所はご所有者様しか分かり得ないことも多くあります。
不動産を売り出す場合インターネットやチラシにて広告しますが、そこに記載するキャッチコピーに物件の長所が役に立ちます。
私たちでもある程度のキャッチコピーは考えますが、売主様ご自身がアピールしたい点や長所だと思う点を教えていただくと、より生の声に近いリアルなキャッチコピーとなり他の物件との差別化が図れます。
また、短所については上記(1)と(2)にも関連しますが、物件の短所は、ご所有者様にはそこまで大きな影響はなくても買主様にとっては致命的なものになる可能性を秘めています。
取引後のトラブルをできるだけ回避するためには、物件の短所もしっかり確認し、買主様にお伝えするべき事柄を整理しておくのが大事です。
6. 住宅ローンの残債を確認する
住宅ローンの残債がある場合には土地と建物に抵当権が設定されていますが、不動産を売却するに際して、これらの抵当権は抹消(=住宅ローン残債の一括返済)する必要があります。
つまり、売却価格が住宅ローンの残債を上回らないといけません。
そのためには、売却価格+諸費用+住宅ローンの残債額を把握した上で売り出し価格を設定する必要があります。
売却価格が残債を下回る場合には、手出しで残りのお金を出すか、任意売却を選択するしか方法はありません。
こうならないためにも、まずは残債額の確認をお願いします。
一般的に、住宅ローンの借入を開始した際に金融機関より返済予定表が送付されているはずなので、これで確認ができます。
7. その他の注意点
(1) 共有名義の場合
ご自身と配偶者、ご自身とお父様、ご自身と兄弟姉妹など、不動産の所有形態にも注意が必要です。
基本的に、不動産を売却するには登記名義人全員の合意が必須となるからです。
共有者のどなたかお一人にでも売却に反対されると、売却は不可となります。
親子や兄弟姉妹の場合はそこまでありませんが、一番問題があるのはご夫婦の共有名義で離婚をきっかけに売却するような場合です。
どちらか一方が売却したくても、もうひと方が反対すると売却はできません。
特に離婚されて別のところに住んでいると、中には連絡も取れない、取りたくないという方もいらっしゃいます。
こうなると売却はほぼ不可能なので、共有名義の場合には共有者の売却同意が早めに得られるよう事前によく話し合っておきましょう。
(2) 相続登記が必要な場合
相続登記が未了の場合でも、不動産の売り出しは可能です。
ただし、決済・引渡しまでには相続登記を完了させておく必要があります。
そのため、お客様の中には売買契約が決まったら相続登記に着手しようとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、これはあまりお勧めできません。
なぜなら、万が一相続登記で親族と揉めてしまったら、相続登記まで相当時間がかかってしまう、もしくは最悪の場合には相続登記ができないということにもなりかねないからです。
せっかく売買契約が決まったのに、相続登記ができずに契約がダメになるのは売主様にとって大きな損失です。
また、買主様にも多大なご迷惑をおかけすることになりますので、双方にとって良いことはありません。
相続に100%大丈夫はあり得ないと考え、売却することを決めたらまずは相続登記に着手した方が良いかもしれません。
8. まとめ
今回は、不動産の売却を考えたら準備することについて詳しく解説しました。
事前に把握・確認しておいた方が良いこと、準備する書類、注意点など、全部を覚えておく必要はありませんが、知っておいて損はないと思います。
当社ではお客様のご事情やご要望に合わせて最適な売却方法をご提案することを一番に心がけています。
まずは不動産に関することならどんなことでもお気軽にご相談してみてください。
どうぞよろしくお願いします。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
- 株式会社ホームリンク代表。1978年1月生まれ。31歳で不動産業界に転職後、約14年間不動産売買仲介専門エージェントとして従事。その後、2023年12月に株式会社ホームリンクを設立し、代表取締役に就任。お客様との出会いやご縁を大切にする会社を目指しています。
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