住み替え(買い替え)

今の家を売って新しい家を購入する場合、売却のタイミングと購入のタイミングをよく考えて段取りすることが重要です。住み替えのポイントや注意点を解説します。

1. 住み替えの方法

住み替えには大きく分けて以下の2つの方法があります。

  • 売り先行」方式(今の住まいを売却 → 新しい住まいを購入)
    • 先に売却することで資金計画が立てやすい
    • 売却金額が先に手元に入る(売却後の価格を確定できる)ため、予算オーバーのリスクが少ない
    • ただし、新居を見つけるまでの仮住まいが必要になる可能性がある
  • 買い先行」方式(新しい住まいを購入 → 現在の住まいを売却)
    • 住み替え先を確保した上で、じっくり売却活動ができる
    • しかし、旧居が売れるまで二重ローンになるリスクがある

2. 住み替えのポイント

  • 資金計画をしっかり立てる
    • 現在の住まいの売却価格と、新居の購入価格のバランスを確認する
  • 市場価格を把握する
    • 現在の自宅の相場と、希望エリアの相場を事前に調査する
  • 住み替えスケジュールを明確にする
    • 売却と購入のタイミングをどう調整するか検討する
    • 引っ越しのタイミングも考慮する
  • 仮住まいの必要性を検討する
    • 売り先行の場合、一時的に賃貸などに住むことを考える
  • 信頼できる不動産会社を選ぶ
    • 住み替え実績のある会社を選ぶことで、スムーズに進めやすい

3. 住み替えの注意点

住み替えをスムーズに進めるためには、以下のような注意点を理解し、計画的に進めることが重要です。

(1) 住み替えにかかる費用を正確に把握する

住み替えには、単に「新しい家の購入費用」だけでなく、さまざまな費用がかかります。

主な費用:

  • 売却時の費用
    • 仲介手数料、住宅ローンの一括返済手数料、抵当権抹消登記費用、譲渡所得にかかる税金など
  • 購入時の費用
    • 仲介手数料、所有権移転登記費用、抵当権設定登記費用、不動産取得税、住宅ローン保証料・事務手数料、火災保険料など
  • 引っ越し費用
    • 引っ越し業者代、家具・家電製品の買い替え費用など
  • 仮住まい費用
    • 賃貸の敷金・礼金、前家賃のほか、引越しの二重手配が必要になる場合もある

特に「売却価格−ローン残債」だけで資金を考えていると、予想以上に自己資金が不足することがあるので注意が必要です。

(2) 二重ローンのリスク

「買い先行」で住み替える場合、新居の住宅ローンと、旧居の住宅ローンが並行して発生する可能性があります。

  • 旧居がすぐに売却できない場合、ローンの負担が大きくなる
  • 住宅ローンの審査で「二重ローン」になることがネックとなることもある

「住み替えローン」などを利用する場合は、融資条件をしっかり確認しましょう。

(3) 売却時の注意点

① 希望価格で売れるとは限らない

査定価格と実際の売却価格は異なります。売却価格は市場の動向や買い手の需要によって変動するため、査定額よりも安くなる可能性も考慮しておく必要があります。

② 売却に時間がかかる場合がある

すぐに買い手が見つからず、売却まで数ヶ月以上かかることもあります。

  • すぐに売れない場合、売却価格を下げる必要が出てくる
  • 「買い先行」の場合、売却が長引くと資金繰りが厳しくなる

③ 住み替え時の税金を確認する

  • 譲渡所得にかかる税金(売却益が出ると課税対象になる)
  • 住民税(売却益が発生した翌年に支払う必要がある)
  • ローン控除が受けられなくなる場合がある(売却時期によっては住宅ローン控除の恩恵を失うこともある)

ただし、3,000万円の特別控除などの税制優遇措置もあるため、事前に税理士や不動産会社に相談しましょう。

(4) 購入時の注意点

① 住宅ローン審査が通らない可能性がある

住み替え時の住宅ローンは、新規でローンを組むことになりますが、

  • 年齢や年収、借入状況によって審査が厳しくなる
  • 既存ローンがあると新しいローンが組みにくい
  • 事前審査に通っても、本審査で否決されるケースもある

事前に金融機関などに相談し、住宅ローンの事前審査を受けておくことが重要です。

② 住み替え後の生活コストも考慮する

新しい家の購入価格だけでなく、

  • 固定資産税の負担が増えるかどうか
  • 管理費や修繕積立金(マンションの場合)
  • 光熱費が上がる可能性(戸建て⇔マンションの住み替え時など)

これらを総合的に考えないと、思った以上に生活費が増えてしまうことがあります。

(5) 住み替えスケジュールの注意点

① 売却と購入のタイミングを合わせるのが難しい

  • 先に売却してしまうと、新居が見つかるまでの間に「仮住まい」が必要になる
  • 先に購入してしまうと、旧居の売却が長引くと「二重ローン」の負担が大きくなる

② 仮住まいの費用と手間を考慮する

  • 一時的に賃貸に住むと「敷金・礼金、前家賃、仲介手数料」などの費用がかかる
  • 2回の引っ越し(旧居 → 仮住まい、仮住まい → 新居への移動)が発生する
  • 家具や荷物を一部「トランクルーム」に預ける場合、その費用も必要になる

仮住まいを回避するためには「買い替え特約付きの契約」や「引き渡し猶予期間の交渉」なども検討しましょう。

(6) 不動産会社選びの注意点

① 信頼できる不動産会社を選ぶ

住み替えは、売却と購入の両方を扱うため、不動産会社のサポートが重要になります。

  • 売却が得意な会社かどうか
    • 売却実績や査定価格の根拠を確認する
  • 購入のサポートがしっかりしているか
    • 資金計画や住宅ローンの相談に対応できるか確認する
  • 住み替えの実績が豊富か
    • 売却と購入のスケジュール調整が得意か確認する

また、査定価格が異常に高すぎる会社には注意しましょう。実際の売却価格とかけ離れていると、売れ残るリスクがあります。

4. まとめ

住み替えは、「資金計画」「売却と購入のタイミング調整」「住宅ローン審査」「仮住まいの有無」など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

特に注意すべき点は以下の5つ:

  • 二重ローンのリスクを避けるために資金計画を綿密に立てる
  • 売却価格が希望通りにならない可能性を考慮する
  • 税金や諸費用を事前に確認し、手元資金を確保しておく
  • 売却と購入のタミング調整が難しいため、スケジュールを慎重に管理する
  • 信頼できる不動産会社を選ぶことが住み替え成功のカギ

事前準備をしっかり行うことで、スムーズな住み替えが可能になります。

このように、住み替えを行うのはなかなか簡単にはいきません。

当社では、お客様のご事情をしっかりお聞きした上で、最適な住み替え方法のご提案とサポートを行いますので、まずは一度ご相談ください。

お問い合わせ

価格査定のご依頼や売買物件へのご質問など


お気軽にお問い合わせください。