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不動産会社の選び方
数ある不動産会社の中からお客様に合った会社を選定するのはとても大変な作業です。ここでは、不動産会社の選び方について解説します。


1. 5つのポイント
不動産会社を選ぶ際のポイントはいくつかありますが、多くのお客様にまず気にしていただきたいポイントが以下の5つです。
- 不動産会社の得意分野を知る
- 営業担当者の力量を見極める
- 物件と同じ地域に会社がある
- ネット広告に力を入れている
- 査定価格の根拠が示されている
それぞれ詳しく解説していきます。
(1) 不動産会社の得意分野を知る

ひと口に不動産会社といっても、メインとする(得意な)業務内容は各会社によって異なります。例えば、不動産の賃貸仲介をメインにしている会社、賃貸管理をメインとしている会社、売買仲介をメインとしている会社などです。賃貸業務をメインとしている会社は、売買仲介が得意ではない、またはそもそも売買仲介を行っていないということもあり得ますので、事前に各社のホームページなどで下調べをして、売買仲介をメインとしている会社に問い合わせをする方が良いでしょう。
ホームページで売買仲介実績をアピールしている会社は、売買仲介がメインと言えます。また、アットホームなどの会社紹介ページでは、その会社が売却の依頼を受けて掲載している物件の数が掲載されていますので、その会社の賃貸物件の数と比較するのもひとつの方法かと思います。
ちなみに、不動産会社は宅地建物取引業者とも言われますが、都道府県知事の許可を受け、宅地建物取引業の免許を必ず取得しています。会社概要等に記載があるかと思いますが、当社の場合「福岡県知事(1)第20547号」となっています。ここで注目いただきたいのが、「(1)」の部分です。
これは、宅地建物取引業の免許を取得してから何回免許更新を行なったかを示す数字で、現在は5年に1回の更新が義務付けられています。つまり、例えばこの数字が「(2)」であれば、創業から5年は経過している(=宅建業者として存続している)ということになりますので、この数字が大きければ大きいほど歴史のある会社だということが分かります。
長く続いている会社がそれだけで100%信頼できるとは言えないかもしれませんが、会社を判断する際のひとつの目安にはなるかと思います。
(2) 営業担当者の力量を見極める

不動産の売却は、特に不動産に関する専門知識がとても重要になってきます。そのため、売却の成功は、依頼する営業担当者の力量にかかっているとも言えます。
まずは最低限のお話ですが、宅地建物取引士の免許を持っているかをしっかりと確認したいところです。ただし、免許を持っているから専門知識がある、または免許を持ってないから専門知識がないということではありません。ひとつの判断材料としてお考えください。
また、不動産の売却には約3ヶ月〜6ヶ月、長い時には約1年弱もの期間がかかる場合があります。これだけ長く付き合っていくため、お客様と営業担当者との相性も大切です。お客様にとって営業担当者に求める人物像は異なるかとは思いますが、例えば、レスポンスが早い、言葉遣いが丁寧、明るく元気がいい、ハキハキしている、不明点があればきちんと調べて答えてくれる、誠実であるなど、お客様の目でしっかりと確認したいところです。
このように、営業担当者を見極めるためには店舗に行って(または訪問してもらって)直接会うことが大事だと思います。電話やメールだけでは分からないことも多いと思いますので、本格的に売却を検討するお客様は、まずは一度お会いさせていただき、色々とお話をお聞かせください。
(3) 物件と同じ地域に会社がある

その地域のことはその地域の不動産会社が一番詳しいと言えます。地域に精通していると、価格の相場感もそうですが、土地勘や市場性なども十分に理解している会社だと思いますので、売却を進めていくにあたってはとても有利になります。
また、エリア外からのお客様には、その地域の良さもお伝えすることができるため、より購入していただきやすくなるというメリットもあります。
さらに、エリア外の不動産会社に依頼すると、現地案内の際に機動性が悪くなるというデメリットが出てきます。会社と物件が遠いと時間的な問題ですぐには案内に行けないというケースがあります。購入したいお客様はお問合せをした時が一番熱い時なので、そのタイミングを逃してしまうというリスクが生じます。その点、地元の不動産会社であれば、購入したいお客様の熱い気持ちに直ちに、ダイレクトにお応えすることができます。
(4) ネット広告に力を入れている

どんなに信頼できる営業担当者に依頼しても、その会社がしっかりと宣伝や広告をしてくれなかったら、売却に至るまでかなり苦戦をすることになります。
不動産の広告にはいくつか種類がありますが、近年はインターネット広告が重要になっています。購入したいお客様の大半はパソコンやスマートフォンで物件を探します。そのため、インターネットでの広告をどの程度しっかりする会社なのかが重要になります。
ポイントとしては、
- 掲載している写真の枚数が多い(最低でも10枚)
- 物件情報をたくさん掲載している(詳細情報やキャッチなど)
- 物件情報が正確に掲載されている
などが挙げられます。会社のホームページはもちろん、アットホームやSUUMO(スーモ)などのポータルサイトもチェックしておくと良いでしょう。
なお、最近では特にスマートフォンで検索・閲覧するお客様の方が数多くいらっしゃいますので、その会社のホームページについてはその有無だけではなく、スマートフォン対応がしっかりなされているかも大きなポイントになるでしょう。
(5) 査定価格の根拠が示されている

不動産の価格査定には様々な要素が必要不可欠です。その中のひとつが、査定価格の根拠がきちんと示されているかどうか、という点です。
不動産の価格査定は、近隣エリアの過去の成約事例や現在の販売事例をもとに、言い換えると客観的なデータをもとにした査定価格を提示する会社が望ましいと言えます。
複数の不動産会社に査定を依頼した場合、中には何の根拠も示さずに査定価格だけをお伝えする会社があるかもしれません。また、競合他社との差別化を図るため、相場からは大きくかけ離れた高額な査定価格を提示する会社があるかもしれません。
お客様によっては、より高い金額を提示してくれる会社に売却を依頼したいと思われるのは理解できますが、その価格にしっかりとした根拠がない場合には気をつけた方がいいかもしれません。
2. 大手か中小の不動産会社か
次に、大手の不動産会社がいいのか、または中小の不動産会社がいいのかについて解説します。大手の不動産会社と中小の不動産会社にはそれぞれにメリットとデメリットが存在しますので、お客様のご希望や売却条件などと照らし合わせてご判断いただければと思います。
(1) 大手のメリット

大手の不動産会社の大きなメリットは会社規模の大きさです。具体的に解説します。
① 知名度が高い
大手の不動産会社は強力な資金力で広告宣伝を大々的に展開し、一般の方に会社の名前がある程度浸透しているため、会社としての安心感があります。
② サービスが充実している
これも資金力と関連しますが、大手の不動産会社の場合、預かった物件のハウスクリーニングサービスや瑕疵保証などのオプションサービスが充実しているというメリットがあります。これらのサービスを上手く活用し、物件自体の付加価値を高めてより高く安心して売却できるというメリットがあります。
③ 広告宣伝が充実している
自社ホームページやポータルサイト、リスティングなどのインターネット広告や、新聞広告、手まきチラシなど紙媒体での広告など、より多くの媒体で多角的に広告宣伝を展開できるという点もメリットです。
その他にも、購入したいお客様を多く抱えている、などのメリットがありますが、いずれにしても大手の不動産会社ならではの資金力と知名度が大きな魅力と言えます。
(2) 大手のデメリット

続いては大手の不動産会社のデメリットを挙げてみます。
① 両手仲介が基本となる場合が多い
売買が成立した際に発生する仲介手数料ですが、売却を依頼された不動産会社は売主様より、購入を依頼された不動産会社は買主様よりそれぞれ仲介手数料をお支払いいただく仕組みとなっています。つまり、ひとつの不動産会社で売主様と買主様の両方の売買仲介を担当すると、双方より仲介手数料をお支払いいただくことになります。これを両手仲介(両方から仲介手数料)と言います。
両手仲介の場合、1件の売買仲介で単純に2倍の仲介手数料をいただくことになりますので、不動産会社としては、まずは自社のお客様に購入していただけないかなと考えます。大手の不動産会社の場合、購入したいお客様を数多く抱えているので、この傾向がより強くなる場合があります。そのため、売主様にとっては不本意な契約条件(思っていた以上の値下げなど)で進められてしまう可能性があります。
これに関連して、不動産業界でも問題となっているのが囲い込みの問題です。売主様よりお預かりした不動産は広く広告し、購入したいお客様を早く見つけることが大事ですが、先に述べたように他の不動産会社のお客様が購入を決めた場合、売主様側の不動産会社は仲介手数料が片手(片方、つまり売主様からのみ仲介手数料をいただく)になるため、そもそも他の不動産会社に物件を紹介しない(させない)という状況が生まれます。これを囲い込みと言います。
売主様からすると、不動産会社に囲い込みをされると、早期売却ができない(売却機会の損失)、または成約まで時間がかかるなどのデメリットが生じる場合があります。
② 機動性に欠ける場合がある
大手の不動産会社は都心部に集中していることが多いため、売却したい不動産が郊外の場合、物件の案内時に機動性に欠けるというデメリットがあります。営業担当者の時間的な制約により、購入したいお客様が今すぐ見たいというような物件をすぐに案内してもらえず、売却機会を損失してしまうという場合があります。
(3) 中小のメリット

続いては中小の不動産会社のメリットについて解説します。
① その地域に精通している
中小の不動産会社は地域密着を謳っている会社が多くありますので、その地域のことならその地域の不動産会社に依頼する方が良い場合があります。地域を理解しているため、その地域で探しているお客様のニーズを的確に汲み取ることができ、売却したい物件の良さと上手く繋げて提案してもらえる可能性があります。その結果、早期売却が可能となります。
② 相場感がある
これは2-3-1.とも関連しますが、その地域の不動産の相場感を正確に把握している点は大きなメリットと言えます。不動産を売却する際に不動産会社は価格査定を行いますが、この査定価格が地域の市場性や価格相場と全く合わない場合、売り出し価格が高すぎてなかなか売れない、反対に安すぎて損をしてしまったなどのリスクが生じます。
③ 見込み客を抱えている
不動産を購入したいお客様の立場で考えてみると、例えば古賀市で探しているお客様は古賀市の不動産会社に相談する傾向が強いと思います。古賀市で探しているのに福岡市の不動産会社に行くことはなかなか考えにくいです。もちろん、現在の居住地が検討したい地域とは別なのでそうしているという方もいらっしゃるとは思います。ただ、やはりその地域の不動産のことはその地域の不動産会社に情報が出回るものかと思いますので、中小の地元密着の会社はこういったお客様を多く抱えている傾向にあるかと思います。
(4) 中小のデメリット

最後は、中小の不動産会社のデメリットです。
① 広告宣伝に限りがある
中小の不動産会社は大手の不動産会社ほど広告宣伝にかける資金力がないため、広告媒体などに制限があります。そのため、初めて売却を依頼しようと考えているお客様にとっては、本当に大丈夫だろうかと不安になることもあるかと思います。
② 対応できないケースがある
中小の不動産会社は、すべての不動産業務を展開できるほど人や資金のリソースがありません。そのため、不動産売買に特化している会社や賃貸のみ、管理のみなど、不動産会社によって得意分野が異なる可能性があります。売却を依頼したいお客様は、その不動産会社が売買仲介をメインとしているかをしっかりと確認した方が良いかもしれません。
3. まとめ
ここでは、不動産会社の選び方や大手の不動産会社か、中小の不動産会社か、それぞれのメリットとデメリットを解説しました。
多くのお客様にとって、不動産を売却するということは長い人生の中でも一回あるかないかのことだと思いますので、慎重になるお気持ちは十分に理解できます。当社では、そんな売主様の想いに寄り添ったご提案をさせていただきたいと常に考えています。
まずは一度ご相談いただき、当社や私のことを十分に知っていただいた上で、じっくりとご判断いただければと思います。
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