一種低層・二種低層における制限について解説します。
こんにちは。
株式会社ホームリンク代表の吉田です。
今回は、第一種・第二種低層住居専用地域において規定される制限について、詳しく解説していきたいと思います。
第一種・第二種低層住居専用地域の解説はこちらもご参照ください。
1. 高さ制限
低層住居専用地域では、建物の高さが制限されます。
(1) 絶対高さ制限(10mまたは12m)
- 法令で定められた「最大の高さ制限」です。
- 地域によって10mか12mのいずれかが指定されます。
- 地盤面からの高さが基準になります(軒高ではなく、建築物全体の最高の部分)。
- 例:10m制限なら3階建てはほぼ不可能。2階建て+αが限界。
- ポイント:この絶対高さ制限は低層地域特有のもので、他用途地域には通常適用されません。
(2) 斜線制限
絶対高さ制限の他にも、道路斜線制限、北側斜線制限などの斜線制限がかかります。
斜線制限については以前に解説していますので、そちらもご参照ください。
2. 外壁後退距離制限
(1) 概要
- 敷地の境界線から建物の外壁を一定以上離す(後退させる)制限。
- 都市計画で定められている場合に限り適用されます。
- 一般的な指定距離:1.0mまたは1.5m
(2) 目的
- 隣地との距離を確保し、日照・通風・プライバシーを守る
- 建物が密集しすぎることを防ぐ
(3) 注意点
- バルコニーや軒先などの突出部分も後退距離内に入らないように注意が必要。
- 指定がない地域ではこの制限はありませんが、慣習上や協定で設けている地域もあります。
3. 最低敷地面積の制限
(1) 概要
- 建築可能な最小の敷地面積を地域ごとに指定する制度。
- 例えば、「最低敷地面積150㎡」と指定されていれば、それ未満の土地には原則として建物を建てられません。
(2) 指定例
- 100㎡、120㎡、150㎡ など
(3) 目的
- 過密な宅地開発や狭小住宅の乱立を防ぎ、ゆとりある住環境を確保すること。
- 教育や交通などインフラへの過度な負担を抑える。
(4) 注意点
- 土地の分筆時に注意が必要。最低面積を下回ると建築不可。
- 既存不適格(以前は建築可能だったが、後に制限が設けられた場合)は、建て替えに条件が付くことがあります。
4. 第一種と第二種の違い
スクロールできます
区分 | 主な用途 | 建物の種別制限 |
---|---|---|
一種低層 | 一戸建て・共同住宅(小規模) | 原則、住居系のみ。コンビニ・事務所も不可。 |
二種低層 | 同上 + 小規模な店舗等 | 小規模店舗(150㎡以下)なども許容 |
- どちらも住宅環境の保護が中心ですが、第二種の方がやや緩やか。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
一種低層と二種低層の地域は、住環境を最優先に守っていく地域のため、新たに建築する際には一番厳しく規制されるエリアとなっています。
本日は以上です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
- 株式会社ホームリンク代表。1978年1月生まれ。31歳で不動産業界に転職後、約14年間不動産売買仲介専門エージェントとして従事。その後、2023年12月に株式会社ホームリンクを設立し、代表取締役に就任。お客様との出会いやご縁を大切にする会社を目指しています。
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