契約前に抑えておきたい契約書のチェックポイント

こんにちは。
株式会社ホームリンク代表の吉田です。

物件が決まっていよいよ「売買契約」。

この契約書に署名・捺印をすれば、法的に大きな拘束力が発生します。

不動産取引では金額も大きく、後から「知らなかった」「聞いていない」では済まされません。

そこで今回は、契約前に必ずチェックしておきたい主要な条項をわかりやすく解説します。

1. 手付金(てつけきん)

(1) ポイント:支払い後の“解除条件”に注意!

手付金とは、契約成立の証として買主が売主へ支払うお金のことです。

一般的には売買価格の5〜10%程度が目安となります。

例)売買価格が1,000万円の場合 → 50万円〜100万円

(2) 手付金の3つの性質

  • 証約手付:契約成立の証拠
  • 解約手付:契約を解除するための代金
  • 違約手付:契約違反時の違約金的な役割

通常は「解約手付」として扱われます。

つまり、契約後でも引き渡し前であれば、

  • 買主 → 手付金を放棄して解除
  • 売主 → 手付金の倍返しで解除

が可能ということです。

ただし、契約書に解除期限が明記されている場合は、その期日を過ぎると解除できなくなるため注意が必要です。

2. 引き渡し時期・所有権移転時期

(1) ポイント:日付だけでなく「条件」も確認!

契約書には「引き渡し日」と「所有権移転日」が記載されていますが、これらは同日ではない場合もあります。

例えば、

  • 引き渡し:令和〇〇年〇〇月〇〇日
  • 所有権移転:残代金支払い完了時

このように、所有権は残代金支払い+登記完了によって移転します。

したがって、引き渡し時点で「残置物がある」「設備が壊れている」などのトラブルを防ぐため、現地確認(立ち会い)を実施することをおすすめします。

3. 瑕疵担保責任 → 契約不適合責任(2020年民法改正)

(1) ポイント:現在は「契約不適合責任」という考え方に!

以前は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と呼ばれていましたが、2020年の民法改正により「契約不適合責任」という名称・考え方に変わりました。

(2) 違いを簡単にまとめると

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旧制度:瑕疵担保責任新制度:契約不適合責任
隠れた欠陥(瑕疵)が対象契約内容と実物が異なる場合が対象
買主は契約解除・損害賠償が可能修補・代替物の請求・代金減額も可能
原則:引渡し後1年以内に通知契約で特約を設けることが多い

つまり、契約書に記載された内容と異なる状態で引き渡された場合に、売主が責任を負うことになります。

例えば、

  • 契約書に「システムキッチン付き」とあるのに、実際は古い流し台だった
  • 雨漏りがあるのに「不具合なし」と説明されていた
  • シロアリ被害があるのに説明がなかった

こうした場合、買主は「修繕」「代金減額」「契約解除」などを求めることができます。

なお、中古物件では「契約不適合責任を負わない」という特約がついている場合も多いため、契約書内の記載を必ず確認しましょう。

4. 修繕義務・設備の現状引渡し

(1) ポイント:「現状渡し」の意味を誤解しない!

中古住宅や中古マンションでは「現状有姿(げんじょうゆうし)渡し」と書かれているケースが多くあります。

これは、「現在の状態のまま引き渡します」という意味です。

つまり、引渡し後に設備が壊れていたとしても、契約時点で不具合があると認識されていれば、売主は修繕義務を負いません

ただし、契約時点で明らかに説明不足や隠れた欠陥があれば、前述の「契約不適合責任」の対象になる可能性があります。

5. その他チェックしておきたい条項

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項目確認ポイント
公租公課の負担区分固定資産税・都市計画税などをどの時点で按分するか
遅延損害金残代金支払いが遅れた場合の利率・日数
付帯設備表・物件状況報告書壊れている設備や残す家具などの確認書。契約書とセットで確認!
特約事項契約解除や負担免除など、個別に設定された重要ルール

6. 契約前にできる「リスク回避のコツ」

  • 契約書・重要事項説明書を事前にコピーでもらう
  • 不明点は「後で聞く」ではなくその場で質問
  • 口頭説明ではなく、書面に残すことを意識する
  • 不動産会社が媒介(仲介)であれば、中立的な立場で確認サポートを求める

まとめ

売買契約書は、不動産取引の「ルールブック」です。

一度署名してしまうと、原則として一方的に撤回することはできません。

とくに重要なのは次の4項目です。

  • 手付金の金額と解除条件
  • 引渡し・所有権移転のタイミング
  • 契約不適合責任の有無と範囲
  • 現状渡し・修繕義務の明記内容

契約書の理解を深めることは、安心で公正な取引の第一歩です。

分からないことがあれば、不動産会社や宅地建物取引士に相談してから署名しましょう。

また、少しでも不明な点や不安な点が解消できない場合、契約しないという選択肢もありますので、しっかり理解した上で契約しましょう。

本日はここまで。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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投稿者プロフィール

吉田 亮介
吉田 亮介代表取締役
株式会社ホームリンク代表。1978年1月生まれ。31歳で不動産業界に転職後、約14年間不動産売買仲介専門エージェントとして従事。その後、2023年12月に株式会社ホームリンクを設立し、代表取締役に就任。お客様との出会いやご縁を大切にする会社を目指しています。