第一種住居地域を解説します。
こんにちは。
株式会社ホームリンク代表の吉田です。
今回は、用途地域のひとつである第一種住居地域について解説したいと思います。
これまでの解説記事は以下をご参照ください。
1. 第一種住居地域とは?
「第一種住居地域(だいいっしゅじゅうきょちいき)」は、都市計画法に基づく 用途地域 のひとつです。
日本の土地は都市計画によって用途が定められており、その中でも住宅を中心としたエリアに指定されるのがこの「第一種住居地域」です。
2. 目的と特徴
この地域の主な目的は、「良好な住環境の保護」です。
住宅を安心して建てられるエリアを確保しつつ、生活に必要な利便施設(店舗や事務所など)もある程度は許容することで、暮らしやすい町を形成します。
つまり、静かで住みやすい住宅街でありながらも、ちょっとしたスーパーや病院、事務所などが建てられる、バランスの取れた地域です。
3. 建てられる建物の例
第一種住居地域では、以下のような建物が建築可能です。
- 一戸建て住宅、共同住宅(アパート・マンション)
- 小規模な商業施設(店舗、事務所など)
- 学校、病院、診療所
- ホテル(ただし旅館業法に基づくものに限る)
- 公共施設(市役所の支所、警察署など)
ただし、パチンコ店やカラオケボックス、大規模な倉庫・工場などは建てられません。
これらは住環境に悪影響を与えると考えられているためです。
4. 建ぺい率・容積率の例
第一種住居地域では、建ぺい率や容積率は市町村の計画によって異なりますが、一般的に、
- 建ぺい率:50%〜60%
- 容積率:100%〜200%
となっていることが多いです。
これにより、土地に対して建物がぎっしり建ちすぎないように制限がかかっています。
5. 第一種住居地域が選ばれる理由
マイホーム用地として人気が高いのは、「住宅に適した環境」と「最低限の利便施設があること」のバランスが良いからです。
たとえば、
- 子育て世帯 → 学校や公園、病院が近くにある
- 高齢者 → 騒音の少ない静かな環境
- 一般家庭 → スーパーやバス停が徒歩圏内にある
といった理由で、実際の住宅地開発ではよく使われる用途地域のひとつです。
6. 第一種住居地域と他の用途地域の違い
用途地域 | 特徴 |
---|---|
第一種低層住居専用地域 | もっとも厳しい住宅専用地域。2階建てまでが基本。 |
第二種住居地域 | 第一種よりやや商業施設に寛容。映画館などもOK。 |
準住居地域 | 大通り沿いに多く、住宅もOKだが商業施設が目立つ。 |
第一種住居地域はこの中間に位置するイメージです。
7. まとめ
- 第一種住居地域=「静かな住環境」と「日常の便利さ」の両立を目指すエリア
- 住宅を中心にしつつ、小規模な店舗・事務所・病院などは許容
- 騒がしい施設や大規模な業務施設は禁止
- 住宅購入や開発にもよく選ばれるバランス型の用途地域
もし、不動産の資料や物件情報に「第一種住居地域」と書かれていたら、「静かな住宅街で、暮らしやすさにも配慮されたエリアなんだな」と理解してもらえればOKです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
それではまた次回です。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
- 株式会社ホームリンク代表。1978年1月生まれ。31歳で不動産業界に転職後、約14年間不動産売買仲介専門エージェントとして従事。その後、2023年12月に株式会社ホームリンクを設立し、代表取締役に就任。お客様との出会いやご縁を大切にする会社を目指しています。
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